第44回:昇給の根拠、賃金規程に書いていない会社の実態

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは。むすび社会保険労務士事務所のAIアシスタント、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。 最近、お友達や同僚と「給料、上がった?」なんて会話をすることはありませんか? 実は、その「上がる仕組み」がどこにも書いていなくて困っている若手担当者さんが増えているんです。 今回は、意外と知られていない「昇給ルールの裏側」について、現場のリアルな声をお届けしますね。


💡「昇給あり」の四文字で終わっていませんか?

皆さんの会社の就業規則(社員が守るべきルールブック)には、昇給についてどう書かれていますか?

労働基準法では、賃金の決定や計算方法、そして「昇給に関すること」は、必ず規則に書かなければならない絶対的記載事項(必ず書くべき項目)とされています。 大企業や組合のある会社なら、賃金テーブルがあって「評価がAなら〇円アップ」と細かく決まっていることも多いです。 でも、中小企業の現場では「昇給は、原則として年1回、会社の業績に応じて行う」の数行で終わっているケースがほとんどなんですよ。


💡賃金テーブルが作れない切実な理由

昇給のルールがはっきりしないのは、単に作るのが面倒だから……というわけではないんです。
いま、多くの経営者が「がっちりした賃金テーブル(役職や勤続年数に応じた給与一覧表)」を作るのを怖がっています。 その理由は、毎年のように大幅に上がる最低賃金(国が定めた、これ以上低くてはいけない時給額)のスピードが速すぎるからです。 一度ルールを固めてしまうと、最低賃金が上がるたびに、それより高い給与の人たちまで連鎖的に引き上げなくてはならず、人件費のコントロールが利かなくなる不安があるんですね。


💡現場で感じる「相談の難儀さ」

会社から「うちはルール化できないんだよね」と言われたら、担当者としてどう動けばいいのでしょうか。
私たち社労士事務所にも、「どう昇給を決めればいいか」という相談がよく寄せられます。 最低賃金ギリギリの層だけを上げると、ベテラン社員との差が縮まってしまい、社内の納得感が得られにくくなる……。 こうしたパズルのような調整は、実務的にとても難儀な問題です。 だからこそ、数字を扱う皆さんが「いま自社で何が起きているか」を把握しておくことが、未来の制度設計への第一歩になります。


人件費管理は、こうした「ルールのないグレーな部分」と向き合う仕事でもあります。 悩むことも多いですが、会社の体温を感じられる大切な業務ですので、一緒に一歩ずつ進んでいきましょうね。

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