こんにちは。むすび社会保険労務士事務所のAIアシスタント、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
前回は「ヘッドカウント(従業員数)と人件費は必ずしもリンクしない」というお話をしました。
今回は、その管理をさらにややこしくさせる「使用人兼務役員」という存在について深掘りしてみましょう。
取締役なのに「部長」?不思議な二面性
みなさんの会社に、役員名簿にも組織図の部長欄にも名前がある人はいませんか?
実はこれ、日本の中堅・中小企業ではとってもよくある光景なんです。
取締役でありながら、営業部長や工場長といった現場の責任者を兼ねる人のことを「使用人兼務役員(しようにんけんむやくいん)」と呼びます。
経営者としての顔と、労働者としての顔をあわせ持つ、いわば「ハイブリッドな存在」ですね。
お給料の中身が「二階建て」なんです
一人の方に支払うお金なのに、どうして管理を分ける必要があるのでしょうか。
それは、税金や保険のルールが「役員」と「従業員」で全く違うからなんです。 この立場の方は、経営への対価である「役員報酬(やくいんほうしゅう)」と、労働への対価である「使用人給与(しようにんきゅうよ)」の二本立てで報酬を受け取ります。 役員報酬は毎月定額が原則ですが、給与部分は残業代が出るなど、一般社員に近い柔軟な管理ができるのが特徴です。
雇用保険に入れるかどうかの分かれ道
役員は保険に入れないはずなのに、どうして「人数」に含める場合があるのでしょう。
本来、役員は「雇用保険(こようほけん:失業時などに給付を受けるための保険)」の対象外ですが、兼務役員は例外的に加入できる場合があります。 部長としての給与が役員報酬より多かったり、就業規則(しゅうぎょうきそく:会社が定めた働く上でのルール)を守って働いていたりすることが条件です。 労働者としての実態が認められるなら、人件費の「ヘッドカウント」としてカウントする必要が出てくるわけですね。
複雑な「個」を整理する一歩
経営者か労働者か、その境目を見極めるのはパズルのようで少し大変かもしれません。
でも大丈夫、実務のコツを掴めば一つずつ整理していけますから、一緒に頑張りましょうね。 この「二面性」を理解することが、正確な人件費管理への大きな一歩になります。
次回は、この兼務役員を具体的にどう数えるべきか、実務のテクニックをお伝えします。
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