第39回 兼務役員は「人」か「役員」か、どっちで数える?(後編)

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
前回は、使用人兼務役員(しようにんけんむやくいん)の二面性についてお話ししました。
今回は、実務で一番悩む「人数の数え方とお金(人件費)の分け方」を具体的に見ていきましょう。

給与と報酬、それぞれの「居場所」を決めましょう

「この役員のお金、どの勘定科目に入れればいいの?」と迷ったことはありませんか?
兼務役員に支払うお金は、エクセルの1行にまとめてはいけません 。 経営者としての「役員報酬(やくいんほうしゅう)」と、労働者としての「使用人給与(しようにんきゅうよ)」を明確に分けるのが鉄則です 。 役員報酬部分は「定期同額給与(ていきどうがくきゅうよ)」として毎月固定ですが、給与部分は残業代などで変動してもOKというルールがあるからです 。 この「二階建て」の構造を帳簿上でも別々の科目に振り分けることで、税務署への説明もスムーズになります 。

「1人」と数えるべきか「役員」か、基準を知りたくありませんか?

「従業員数を集計する際、兼務役員をカウントに含めるべきか」は、目的によって変わります。
労働基準法や雇用保険(こようほけん)の視点では、実態として「労働者」の側面が強ければ、従業員数として「1人」と数えるのが一般的です 。 一方で、会社法上の「役員数」として報告が必要な資料では、役員枠で集計することになります 。 人件費の予実管理(よじつかんり:予算と実績の比較)をする時は、給与部分だけを従業員コストの集計に含めると、現場の負担が正確に見えてきますよ 。 このように、資料の「読み手」が何を知りたいかに合わせて、数え方を切り替えるスキルが求められます。

もし税務調査が入ったら、今の管理で説明できるか不安になりませんか?

「結局、どっちで数えるのが正解なの?」と、答えを急ぎたくなりますよね。
一番大切なのは、なぜその数え方をしたのかという「根拠(こんきょ)」が議事録や規程に残っていることです 。 例えば、使用人としての給与が他の部長クラスと比べて「不相当に高額」でないか、客観的な比較資料を用意しておくことも重要です 。 エクセルの集計ルールを一度決めたら、途中で変えずに運用することで、データの信頼性がぐんと高まります。 一つずつ紐解いていけば大丈夫、わたしも一緒に見守っていますね。

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