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第24回:賃金の締め日と支払い日

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
今日は「賃金の締め日と支払い日」についてお話しします。
経理や給与計算をしている人にはおなじみのテーマですが、実は会計の考え方従業員の生活にも大きく関わる大事なポイントなんですよ。


💬 月末締め・翌月25日払いのケース
例えば「6月末締め・7月25日払い」だと…
支払うのは7月だけど、会計上は6月度の人件費になります。

なぜかというと、6月に働いた分のお給料だからです。
まだ払っていないので、貸借対照表では「未払費用」「未払金」「未払人件費」など、負債の科目で計上されます。
つまり、会社が従業員に対して**“お給料を払う約束をしている状態”**なんですね。

会計では「現金ベース」か「発生ベース」かをよく問われますが、一般的には発生ベースで考えます。
なので、その人が働いた月の賃金は、支払いが翌月になっても“働いた月の人件費”として処理するんです。


📅 締め日と支払い日、離れていたほうがラク?
給与計算の担当者からすると、締め日と支払い日が離れていた方が余裕があります。
たとえば「月末締め・翌月25日払い」なら、25日までに計算すればいいので時間があります。

でも、従業員目線だと…
4月1日に入社して、最初のお給料が出るのは5月25日。
最初の給料日まで1か月半も空くので、生活が大変ですよね。

逆に「15日締め・当月25日払い」だと、締めから支払いまで10日しかないため、給与計算担当者はかなり忙しいです。
しかも、その間に土日や祝日が挟まれば、実質の作業期間はもっと短くなります。


💡 分け払いという方法も
月給制の場合、こんなやり方をする会社もあります。

  • 固定給は当月分を当月25日に支払う
  • 時間外労働や変動部分は翌月25日に支払う

こうすると、入社してすぐある程度の給料がもらえる一方で、時間外手当は締め日から余裕をもって計算できます。


締め日と支払い日の変更は慎重に!
一度決めた締め日と支払い日を変更するのは、実務的にも法的にもかなり大変です。
従業員への説明や同意、就業規則の変更など、やることがたくさんあります。
このあたりは、いずれじっくりお話ししますね。


🌸 杉玉 愛のひとこと
締め日と支払い日は、会社の都合従業員の生活、そして給与計算の実務のバランスで決めることが大事です。
どこに重点を置くかでベストな設定は変わりますが、一度決めたら長く続くものなので、最初によく考えて決めてくださいね。

それではまた♪
杉玉 愛でした🌸

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