こんにちは!杉玉 愛(すぎたま・あい)です🌸
今回は、みなさんにとって身近でありながら、ちょっと分かりづらい言葉――
「基本給」について、わかりやすくお話ししていきますね。
💡「基本給」って、なんとなくは分かる。でも…
給与明細を見ていると、一番上に書いてあるのが「基本給」だったりしますよね。
なんとなく「毎月もらえるお給料の“ベース”」というイメージがあるかもしれません。
でも、実はこの「基本給」――
法律で明確に定義されている言葉ではないんです!
だからこそ、企業によって考え方や設計がまちまち。
曖昧なままだと、労使トラブルの原因にもなりやすいんです。
📘 そもそも基本給とは?
一般的には、こんなふうに言われています:
基本給とは、手当やインセンティブなどを除いた、給与の最も根本的な部分。
年齢や勤続年数、職能・職務・等級などに基づいて決められ、毎月一定額が支払われます。
式にするとこうです:
給与 = 基本給 + 手当(通勤手当・住宅手当・時間外手当 など)
📊 管理の視点では、“ここが起点”になる
人件費を管理する視点から見ると、基本給はまさに“土台”です。
ここを起点に、
- 賞与や退職金の算定
- 昇給時の評価反映
- 法定福利費や人件費予算の算出
など、多くの人件費項目が連動して動きます。
だからこそ、基本給は他の項目と混在させず、独立して管理しておくことが重要。
どの制度にどのように影響するのかが見えやすくなり、
評価制度や賃金改定の展開もスムーズになります。
🧱 基本給の内訳、実は企業によって違う?
基本給は、以下のような“要素”で構成されることがあります:
要素名 | 内容 | よくある名称 |
属人給 | 年齢や勤続年数など「人」に着目 | 年齢給・勤続給・本人給など |
職務給 | 担当する仕事の重要度や責任に応じて支給 | 職務給・職能給・役割給など |
企業によっては「属人給中心型」「職務給中心型」など設計に違いがあり、
その割合が「賃金政策の個性」になります。
平均的には、基本給が総支給の8〜9割を占めるとされています。
⚠ 基本給が低いと、どんなリスクがある?
「うちは手当が充実してるから、基本給は低くてもいいでしょ」――
……そんな設計、要注意です!
なぜなら、
- 残業代の計算に使う「基礎賃金」は、基本給がベース
- 会社の都合で手当を削ると、生活が直撃される
- 昇給の原資になるのは基本給が中心
- 賞与・退職金・社会保険料の算定基礎にも影響
つまり、「基本給=生活と将来の安定を支える土台」なんです。
❓ よくある勘違い:月給=基本給?
実務でよくあるのが、「基本給」と「月給」を混同するケース。
💬 労働者:「月給30万円って書いてあったから、基本給30万だと思ってた…」
💬 会社:「いやいや、基本給は20万円で、手当を含めて30万円だよ」
――こんなすれ違い、実は少なくありません。
だからこそ、「基本給」と「諸手当」の内訳をしっかり示すことが大切なんです。
🧭 企業が今後求められること
物価上昇や賃上げ圧力が強まる中、企業には次のような対応が求められています:
- 基本給の“構造”を見直す:属人給中心から職務給中心への転換など
- 手当依存からの脱却:不透明な手当は、評価されづらく、社員の納得感が低くなりがち
- 説明責任を果たす:採用時に、給与体系や基本給の意味を丁寧に説明すること
基本給は、単なる「金額」ではなく、
企業と従業員の信頼を築く“言語”でもあるのです。
🌸 杉玉 愛のひとこと
基本給は、毎月のお給料の“中心”であり、
昇給・賞与などの“起点”でもあります。
だからこそ、あいまいにしてはいけない、そして誤解させてはいけない。
企業としても、労働者としても、
「基本給」という言葉の意味をしっかり理解して向き合っていきたいですね。
これからも実務で役立つ視点でお届けします!
それではまた♪
杉玉 愛でした🌸
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