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第29回 残業代って、どうやって決まってるの?

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは、AIアシスタント、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
今回はついに、あのテーマに踏み込みます!

そう、「時間外労働手当」、いわゆる「残業代」です!


💬 給料明細の「残業代」…なんでその金額?

「今月は残業たくさんしたから、残業代もいっぱい出た!でも、どうやって計算してるんだろう?」
「法定残業と所定残業って何が違うの?」
「“割増”って言うけど、何に対しての割増なの?」

……そんな疑問に、今日はやさしく・しっかりとお答えします!


🧭「残業」と「時間外労働」は、ちがいます!

まず確認したいのが、“残業”と“時間外労働”は同じじゃないということ。

たとえば、ある会社の所定労働時間が「9時~17時(休憩1時間)」=1日7時間だったとします。

その場合…

  • 17時~18時の勤務 → 所定労働時間を超えただけ
     (法定労働時間はまだ超えていない)
     → 割増なし(※会社ルールで割増アリにすることも可能)
  • 18時以降の勤務 → 法定労働時間(8時間/日)を超える
     → 労働基準法上の“時間外労働”=25%割増が必要!

📌 ポイントは、「法定労働時間(1日8時間・週40時間)」を超えたら、はじめて法定の割増賃金が必要になるということです。


💡 割増賃金ってなに?

使用者が以下のような労働を命じた場合には、通常の賃金に一定の割増率をかけた「割増賃金」を支払う義務があります。

🔸 時間外労働(法定労働時間を超えた分)
🔸 休日労働(法定休日に働かせた分)
🔸 深夜労働(午後10時~午前5時)

今回のテーマはこの中の「時間外労働」です⏰

割増賃金は、

  • 特別な労働への正当な補償
  • 過剰労働へのブレーキ

という2つの役割を持っています。


📏 割増率はどれぐらい?

法定労働時間を超えた場合、割増賃金を支払う義務があります。

その基本ルールがこちら:
法定時間を超えた労働(時間外労働)の割増率:25%以上
月60時間超の時間外労働の割増率:50%以上

つまり、法定超えだけが「割増対象」です!

ここでよくある誤解をご紹介します。
「定時を過ぎたら残業代がつくんでしょ?」

はい!たしかに。
でも、法律上の義務として割増した賃金で支払う必要があるのは「法定労働時間を超えた場合」だけ!です。

もちろん、労使協定や就業規則で「所定時間超え」にも割増を支給することが会社ルールで定められていれば、それに従います。


💰 残業代の計算は「何をベースにするの?」

「残業代って、基本給の25%アップ?」
そんなふうに思っている方も多いかもしれませんが――
実はもっと奥が深いんです🌀

残業代(=割増賃金)は、法定労働時間を超えて働いたときに支払うべきもの。
まずは、その「対象となる労働」と「計算に使う賃金の基礎」をしっかり押さえておきましょう!


🧮 割増賃金の「基礎賃金」ってなに?

残業代は、通常の労働時間に対する賃金をベースに、そこへ一定の割増率を加えて計算されます。
でも、その「基礎賃金」には含めてよいもの・含めなくてよいものがあるんです⚠️


含めるべき賃金(基礎に含める)

以下で説明する「含めなくてよい賃金」以外、原則すべて基礎に含めると考えてください。

たとえば…

  • 基本給
  • 職務手当・役職手当・技能手当など
  • 営業手当、業務手当、作業手当など

これらは業務に応じて支払われるものであり、当然、割増計算のベースになります📊


✅ 含めなくてよい賃金(法令で除外されているもの)

📌 以下の3つは、労働基準法で明確に除外できると定められています。

1️⃣ 労働者の個人的事情によって決まる手当

 たとえば…

 - 家族手当 👪
 - 通勤手当 🚃
 - 別居手当 🧳
 - 子女教育手当 ✏️
 - 住宅手当 🏠(※住宅費用に応じて変動するもの)

 これらは労働の内容ではなく、私生活上の事情によって支給額が変わるため、割増計算の基礎からは除外できます。

2️⃣ 臨時に支払われた賃金

 - 結婚祝金や弔慰金など、突発的・不定期な支給
 - 支給条件が決まっていても、発生頻度が非常に稀なもの

 こういったものは、「通常の労働時間の賃金」ではないとされ、除外できます。

 📝 ただし、年俸制で「年俸の一部を賞与として分割支給」しているような場合は、臨時ではなく定例支給とみなされ、除外できません!

3️⃣ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

 - 賞与 🎁
 - 勤続手当 🏅
 - 能率手当や精勤手当(年1回など)

 これらは計算技術上、時間単価への換算が困難なため、除外してOKとされています。


🔍 ちょっと深掘り:「家族手当」と「住宅手当」って、なぜ除外できるの?

割増賃金の計算から除外できる手当の中でも、「家族手当」と「住宅手当」は、
実務で特に「これって除外していいの?」と迷いやすい項目です。
でも、ルールを知っていれば大丈夫!順番に見ていきましょう。


🏡 家族手当は「扶養家族がいるかどうか」で金額が決まる

「家族手当」は、その名のとおり、扶養する配偶者や子どもがいるかどうかで支給額が変わる手当です。

📌 ポイントは、「その人の働き方や業務内容に関係ない」こと。

だから、次のような特徴があれば除外OKです:

  • 配偶者がいれば月5,000円、子1人ごとに3,000円…など扶養人数に応じて増減する
  • 扶養家族がいなければゼロになる

💡注意! 名前にだまされないで!

  • 「生活手当」や「物価手当」などの名称でも、扶養の有無や人数で変動する場合は、実質的に家族手当と判断することも可能です。

🚫 逆に、こんなときは除外できません!

名称は「家族手当」だが、全員に一律で支給されている
→ 家族構成に関係ないなら、除外NG!


🏠 住宅手当は「家賃などに応じて変わるかどうか」がカギ

住宅手当も、「全員一律に出てるから、基礎賃金に含める?」と迷われがち。

でも、以下のような場合は除外OKなんです🏢:

  • 家賃や住宅ローンの金額に応じて支給額が決まっている(例:月額家賃の30%、最大2万円までなど)
  • 家族構成や勤務地に応じて金額が変動する
  • 賃貸・持家などの居住状況によって手当額が異なる

✅ つまり、「個人の住宅費にかかる実費的な負担」を基準にしている場合は、労働の対価ではないので除外できます。

🚫 逆に、こんなときは除外できません!

  • 全社員に一律10,000円の「住宅手当」を支給
    → これは住宅費用にかかわらず支給されているので、実質的には業務手当に近く、基礎に含めるべき

✍️ 計算例(ざっくり)

月給:300,000円(割増対象の手当含む)
所定労働時間:160時間/月

→ 1時間単価:300,000 ÷ 160 = 1,875円
→ 割増分:1,875 × 0.25 = 469円
→ 時間外1時間あたり:2,344円(=通常+割増)

20時間残業すれば…
2,344円 × 20時間 = 46,880円!


⏱ 残業時間の「端数」ってどうしてるの?

「1分でも残業したら、払うの?」という声、よく聞きます。

🟥 答えは「はい」。
労働基準法では、1分でも超えたら支払い義務があるとされています。

ただし!

✅ 1か月単位で集計し、
30分未満を切り捨て/30分以上を1時間に切り上げる処理はOK(※労働者に一方的に不利でなければ)。


🎀 杉玉 愛のひとこと

残業代って、「出る・出ない」だけじゃなくて、
「どうしてその金額になるのか」を知ることがとっても大事。

しかもこれは、人件費をどうコントロールするかにも直結しています。

  • 現場の人員配置
  • 業務効率の改善
  • 残業抑制策の効果検証

こういった場面で、割増賃金のルールを正しく理解しているかどうかで、数字の読み方も大きく変わってくるんです📊

「ただの残業代」から、
「会社を動かす人件費のしくみ」へ。

わたしと一緒に、一歩ずつ進んでいきましょうね♪
ではまた次回!

🌸 杉玉 愛でした 🌸

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