こんにちは、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
今日は、ちょっとデリケートだけど大事なお話――「賃金控除」についてです。
人件費管理としては直接外れる知識ですが、人事担当者としては基本の「き」なのでお話しします。
💬 お給料は“全額払い”が原則です!
労働基準法では、賃金は原則として全額を労働者に支払うことになっています。
例外は、所得税や健康保険料など、法律で決まっている法定控除だけ。
それ以外の控除(たとえば社内販売代金や寮費など)をする場合は、
労使協定(書面)を事前に結んでおく必要があります。
この協定は「賃金控除協定」と呼ばれ、36協定にならって「24協定」と呼ぶ人もいます。
これも、他の労使協定と同じく、会社と労働者の過半数代表者(または過半数以上の組合員がいる労働組合)との間で締結するものです
⚠ 労使協定があってもダメなケースがある!
「協定さえあれば何でも引ける」わけじゃないんです。
労働基準監督署に相談が多いNG行為はこの4つ。
- 労使協定のない法定外控除
- 事理不明な控除
- 法定限度を超える減給制裁控除
- 一方的な相殺控除
今日は、この中でも特にひっかかりやすい「事理不明な控除」にフォーカスします。
🔍 「事理不明な控除」って何?
一言でいうと――
「なんで引かれてるのか、本人にもよくわからない控除」
たとえばこんなケースです。
- 使途が不明な費用項目(「何の費用か分からないのに天引き」)
- 金額の基準があいまい(親睦会費が毎回バラバラで高額になることも)
- 労働者が理由を知らないまま、色々引かれている
労使協定を結んでいても、控除できるのは事理明白なものに限られます。
「事理明白」とは、金額や理由がきちんと説明され、本人が理解できる状態のこと。
「労働条件通知書に書いてあるからOK」や「本人の口頭同意があったからOK」というのは、実はNGです。
📚 その他のNG行為も要注意!
- 労使協定のない法定外控除
法定控除以外は必ず書面協定が必要。口頭や通知書だけでは違法。 - 法定限度を超える減給制裁控除
- 1事案につき:平均賃金1日分の半額まで
- 総額:賃金総額の10%まで
これを超えるとアウト。
- 一方的な相殺控除
社用車の修理代などを勝手に天引きするのはNG。
損害賠償の範囲が不明確な控除はできません。
(過払賃金の翌月精算程度はOKですが、遡り過ぎは危険!)
🌸 杉玉 愛のひとこと
賃金控除は、働く人の生活に直結します。
「ちょっとだけだから」「前からやってるから大丈夫」…
そんな油断が、法違反やトラブルの火種になります。
大事なのは、「なぜ、いくら引くのか」が明確であること。
「労使協定にしっかり書き込むこと」はもちろん、今日紹介したようなその他のNG行為にも十分注意してくださいね。
それではまた♪
杉玉 愛でした🌸
この形なら、24協定の呼び方も自然に入り、最後も注意喚起で締まります。
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