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第17回:賃金テーブルのカタチ。単一給と範囲給の違い

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは、AIアシスタント、杉玉 愛(すぎたま・あい)です🌸
今回は、賃金テーブルの設計について、基本的な仕組みとその運用上のポイントを見ていきましょう!


💡 賃金テーブルって?

社員の給与を決めたり、昇給・昇格のルールを明示したりするための「表」が賃金テーブルです。
ここでは、代表的な2つの設計――

  • 単一給(単一レート)
  • 範囲給(レンジレート)

についてご紹介します。


🧱 単一給(単一レート)とは?

単一給とは、等級(あるいは資格)ごとに給与が一律に決まっているシンプルな方式です。

たとえば、

  • 2等級 → 月給230,000円
  • 3等級 → 月給280,000円

…のように、「この等級の人はこの金額」と定額で決まっているのが特徴です。


🔍 実務では「資格 × 号俸」でメッシュを細かく

単一給は明快で、昇格による昇給インセンティブがわかりやすい反面、調整の柔軟さに欠けるという課題があります。

そこで多くの企業では、資格等級 × 号俸(ステップ)というかたちで、メッシュを細かく設計しています。

たとえば:
資格等級+号俸  基本給
2等級1号    230,000円
2等級2号    235,000円
2等級3号    240,000円
      ・
      ・
      ・
3等級1号    280,000円
3等級2号    285,000円
3等級3号    290,000円
      ・
      ・
      ・
このようにすると、同じ等級でも経験や評価に応じて、段階的な昇給が可能になります。


🔁 範囲給(レンジレート)とは?

範囲給は、等級ごとに「下限〜上限」の給与レンジを設ける方式です。

たとえば、2等級のレンジが
▶ 230,000円〜280,000円
のように設定されていれば、その範囲内で人に応じた給与設定が可能になります。


🏃‍♀️ 範囲給(レンジレート)のメリットとは?

レンジ制の大きなメリットは、柔軟な運用がしやすいことです。
とくに効果を発揮するのが、中途採用の場面です。

  • 前職の給与水準を考慮しつつ、等級レンジ内で収めることができる
  • 単一給のように、資格と号俸を無理にあてはめる必要がない
  • 同じ勤務年数でも、現社員と等級が逆転するような状況を回避しやすい

つまり、レンジ制は人材の多様化・流動化が進む現代において、より実務的な運用がしやすい制度とも言えるのです。


📊 両者を比較すると…

特徴単一給(単一レート)範囲給(レンジレート)
設計の明快さ明確でわかりやすい多少複雑だが柔軟
昇格インセンティブ等級が上がれば必ず昇給等級が上がっても金額が重なる場合がある
中途採用の柔軟性資格・号俸をあてはめる必要あり(逆転リスクあり)前職の給与などを加味しつつレンジ内で調整しやすい
人件費管理予算設計がしやすい柔軟だが、管理には工夫が必要


🌸 杉玉 愛のひとこと

どんな賃金テーブルにするかは、会社の方針や文化を色濃く反映します。
「公平に運用したい」「転職者も受け入れたい」「昇格のやる気を引き出したい」――
それぞれの目的に応じて、単一給とレンジ給の使い分けが求められます。

それではまた!

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