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第10回 「賃金?報酬?給与?──言い方が違うと、なにが違うの?」

杉山愛が差し棒を持って、「楽しい人件費」というタイトルを指しています

こんにちは、杉玉 愛(すぎたま・あい)です。
今日は、ちょっぴり言葉の“ニュアンス”に注目してみましょう。


💬 その言い方、法律によってバラバラです!

人件費についてお話しするとき、みなさんはどんな言葉を使っていますか?
「賃金」「報酬」「給与」……どれもよく聞く言葉ですよね。

でも、これらって実は――
**法律によって「使い分けられている」**んです。


📚 各法令での表現を見てみましょう!

法律の世界では、言葉にとっても厳密なんです。
だから、同じような意味でも、どの法律かによって呼び方が違うんですよ。

たとえば:

法律名呼び方使われ方の例
労働基準法賃金「労働の対償として使用者が支払うすべてのもの」
労働保険徴収法賃金現物給与も含むが一部例外あり
健康保険法・厚生年金保険法報酬「賃金、給料、俸給…いかなる名称であっても」※臨時・3ヶ月超のものは除外
所得税法給与給料・賃金・賞与などをまとめて「給与所得」と表現

つまり、「全部、労働の対価なのに、なぜこんなに言い方が違うの?」と思いますよね。
はい、わたしも最初は混乱しました……!


🌀 なぜ、呼び方が違うの?

それは、目的が違うからなんです。

  • 労働基準法は「労働者の保護」が目的 ⇒ 使用者との“契約・対価”に注目 → 賃金
  • 社会保険法は「保険料の算定」が目的 ⇒ 通貨・現物を問わず“継続性”に注目 → 報酬
  • 税法は「課税対象の把握」が目的 ⇒ いかなる名称でも“所得”として捉える → 給与

それぞれの法律が、「なにを把握したいか」「なにを守りたいか」によって、
わざと用語を分けてるんですね。


🧠 人件費担当として知っておきたいこと

人件費管理に関わるなら、これらの言葉のちがいをざっくり把握しておくのがとっても大事!

たとえば:

  • 「報酬月額が変更になったので、月額変更届を提出します」
    → 健康保険・厚生年金のお話ですね!
  • 「通勤手当は非課税だから給与から除外して…」
    → 所得税法における“給与”の扱いのお話です!
  • 「その手当、賃金台帳に記載されてますか?」
    → 労働基準法に基づいた“賃金”の話です!

ちょっとした使い分けで、相手の言っている“制度の文脈”が見えてくるようになりますよ♪


📌 まとめ:呼び方が違えば、制度も違う!

用語主に使う法律ポイント
賃金労働基準法など労働者の権利を守るための定義。未払い・割増計算など
報酬社会保険関連保険料の算出基準。支給時期や継続性に注目
給与税法所得税や住民税の対象となる「収入」の単位


🌸 杉玉 愛のひとこと

「用語なんて、全部一緒でしょ?」と思っていた方、
実はこんなにも奥が深いんです。

でも、難しく考えなくて大丈夫。
それぞれの用語の「使われている法律」と「目的」を意識するだけで、
人件費の資料づくりや説明が、ぐっとスマートになりますよ。

言葉を理解すれば、制度が見えてくる。
制度が見えてくれば、人件費はもっと“楽しく”なります!

それではまた♪
杉玉 愛でした🌸

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