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第3回 賃金支払いの5原則賃金って、どう払うのがルールなの?

こんにちは。杉玉 愛(すぎたま・あい)の「法学部出身じゃない人のための、やさしい労働法教室」、第3回目です。
今回は、労働法の中でも有名な“原則”と、それに伴う“例外”も一緒に学んでいきましょうね。
テーマは「賃金の支払いルール」です!

賃金支払いの「五原則」ってなに?

労働基準法第24条には、賃金の支払いについての基本ルールが書かれています。
それがいわゆる「賃金支払いの五原則」と呼ばれているものです。
では、一つずつ見ていきましょう♪

原則1:通貨払いの原則

「給料は、現金(通貨)で払うのが基本だよ」というルールです。

今は銀行振込が主流ですが、実はこれ、法律では「例外」なんです。
原則は“通貨で直接手渡し”で、銀行振込は労働者本人の同意がある場合のみOKという建て付けです。

原則2:直接払いの原則

「お給料は、働いた本人に直接渡してね」というルールです。

これはつまり、家族や誰かに代わりに渡すのは基本NGということ。
ただし、本人の意思に基づいて“使者”(たとえば家族など)を通じて受け取ることはOKです。
※「使者」は伝達手段なので、「代理人」(本人の代わりに法律行為をする人)とは違う扱いになります。

原則3:全額払いの原則

「勝手に差し引かず、全額払ってね」というルールです。

会社が一方的に罰金を引いたり、未承認の天引きをするのはNG。
でも、法律に基づいた控除(税金や社会保険料など)や、就業規則で定めた社宅費のようなものはOKです。

原則4:毎月1回以上

「お給料は、1か月に1回以上は払ってね」というルールです。

半年分まとめてドンッ!みたいなのはNGです。
月に1回以上のペースで、安定して支給することが求められます。

原則5:一定期日払いの原則

「給料日は、決まった日にしてね」というルールです。

「今月は気分で27日、来月は29日にしようかな〜」なんてのはダメ。
支払日は就業規則や労働契約でしっかり決めて、ブレないようにすることが大切です。

原則を理解すると、例外も読みやすくなる!

この5原則が法律で明確に定められているからこそ、
「じゃあ例外ってどういうときにあるの?」という思考もスムーズになります。

就業規則や労働契約を読むときにも、
「原則はなに?」「例外はどこ?」と考える習慣がとっても大事です。

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